満３歳組の給食前にこんな姿が。毎日、毎日丁寧に繰り返しながら園生活のリズムを身体で覚えていく子どもたち。昼食を前にして、お手洗いに行って、手を洗って、スモックを着る。他の子どもたちがまだ手洗いに行っている静かな保育室の中で、こんな姿が…。

まだ、一人ではスモックを着ることができない男の子に、女の子が手伝い始めたようです。「私が手伝うよ。」などという言葉はなく、ただ自然にそっと男の子のボタンをはめ始めた女の子。やってもらうのを拒むわけでもなく、なすがままにしてもらっている男の子。

すると、次は自分一人ではできない男の子が、同じように女の子のボタンをはめ始めました。自分がしてもらって「うれしい」ことを、相手にもしてあげているのでしょう。なんて美しい！人間は自分がしてもらって「うれしい」ことを、相手にもしてあげたいという本能があるように思います。人間は真似をしながら自分を確立していきます。「うれしかったこと」を相手にも・・・、だからこそ乳幼児期には「うれしい」という感情を子ども自身が感じる機会を多くし、そんな感情をたくさん持って成長していくことが大切だと。そこにまだ「言葉はなくても」いいのです。